2019年5月12日日曜日

マスオさん

私は、留学から戻った1995年秋から数年間,家内の実家に住まわせてもらった。留学中に帰国後の住宅を探すのは、インターネットが発達していない当時は困難であったからである。生活が落ち着き次第、家内の実家を出るつもりであった。しかし家内の両親は思いの他、私を歓待してくれ、実の娘である家内とも一緒に暮らせる生活を喜んだ。家内の兄夫婦も一緒に住んでいたので、家内の両親は実の息子と娘家族と一緒に住むことになったわけである。家内の実家は5階建てのビルディングである。3階に義兄夫婦が、4階に義理の両親が、そして5階に私たち夫婦が住んだ。
 
私は、ただで家内の実家に住まわせてもらうのは申し訳ないと思い、ボーナス月である7月と12月に百万円ずつ両親に手渡した。つまり、毎年、二百万円を義理の両親に支払っていた。
 
 
年間二百万円の家賃が安いのか高いのか、それとも妥当であったのかはわからない。ただ、義理の両親は実の娘と一緒に住めることを心から喜んでいたので、家賃として支払った金額がたとえ少なすぎたとしても、義理の両親には不満はなかったのではないかと思う。
 
 ところが、私たちがただで家内の実家に住まわせてもらっていたと思い込んでいた人がいたという。そしてその人は私の義理の母親にそう言ったらしい。驚きである。その人は、「自分ならばお金を支払わない」と考えたのであろう。私たち夫婦は、少なくとも金銭に関しては潔癖な人生を送ってきた。ただで住めれば得であるといった発想は私たち夫婦にはない。
 

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