2011年8月20日土曜日

夏休み 軽井沢にて




お盆休みを家族と軽井沢で過ごしている。夏休みを軽井沢で過ごすのが恒例になった。義母が所有する別荘を使わせてもらっている。

今週の前半には日帰りであちこちにドライブに出かけた。白馬の栂池天狗原、蓼科に近いところにある白駒池、山梨県との県境に近い犬ころの滝、そして志賀高原。いずれの場所にも車で片道2時間~2時間半で行ける。幸い、前半は天気にも恵まれた。

週の後半には「軽井沢八月祭」が始まった。軽井沢八月祭は今年で5回目。軽井沢のあちこちで小さな演奏会が開かれる。ほとんどの演奏会は無料である。数年前には、一日中、軽井沢のあちこちでひらかれる演奏会巡りをしたこともあった。

しかし、今年の軽井沢八月祭はだいぶ規模が縮小されている。震災の影響でスポンサーが減ったのであろうか。軽井沢八月祭に引き続いて軽井沢国際音楽祭が開かれるためであろうか。今週の後半から天気が崩れたこともあり、私たちは教会で開かれた演奏会に一昨日と昨日でかけた。ただし、息子は別荘で留守番。

息子はクラシック音楽には全く興味がない。音楽そのものに興味がない。演奏会会場ではいつも演奏が始まると同時に眠ってしまう。それでも昨年までは一緒に演奏会についてきた。しかし、今年からは一人で留守番すると言い始めた。

きょう(8月20日)も朝から雨。夜とこんな雨の日には別荘でのんびりと読書をする。昨年までは歴史小説ばかり読んでいたが、今年は普段読まない本ばかり近くの本屋で買ってきては読んだ。”それでも「日本は死なない」これだけの理由”(講談社)、”日本経済、復興と成長の戦略”(朝日新聞出版)、”3・11に勝つ日本経済”(PHP研究所)、”震災大不況にダマされるな”(徳間書店)、”世界でいちばん! 日本経済の実力”(海竜社)、”2011年 ユーロ大炎上”(講談社)、”世界が感嘆する日本人”(宝島社新書)、そして”連合赤軍「あさま山荘事件」の真実”(ほおずき書籍)と”無縁社会”(文芸春秋)。

「あさま山荘事件」は、40年経過した今も私の頭には鮮明な記憶が残っている。この事件はこの軽井沢で起きた事件であった。当時まだ中学生であった家内は、事件があった年の夏、家族とあさま山荘と見に行ったという。今、その「あさま山荘」の周囲にはうっそうと木が生い茂っており、建物の下の山道からはなかなか見通すことができない。改築もされ、一見しただけでは、かつての「あさま山荘」であったのかどうかすらわからない。

”連合赤軍「あさま山荘事件」の真実”のなかの「あさま山荘事件」をきっかけとして発覚した「リンチ殺人事件」の記述も生々しかった。

今も世界では「正義」の名の下に数多くの殺人が行われている。今も世界のあちこちで続いている戦争のほとんどは宗教戦争である。当事者は「正義のため」としか言わない。しかしまぎれもない宗教戦争である。イスラム教徒キリスト教徒の紛争は将来もなくなることはないであろう。物事を善と悪の2つにしか分類できない一神教の宿命である。

“無縁社会”はNHKで放映された番組を本にまとめたものである。私は独身ではないし、一人だけではあるが息子もいる。姉や、姪、甥もいる。両親もまだ生きている。それでも将来、私も無縁社会のなかで孤独死するのではないかという不安感がないわけではない。

今、私の母親は入院しているが、残り少なくなった時間を自宅で過ごしたいと強く願っている。また、母親が自宅にもどれるかどうかはわからない。ただ、母親も、そして父親も孤独死することだけはない。「行旅死亡人」となることもない。

長くなった。明日の朝、東京に戻る。