2020年4月18日土曜日

卓球台

私が小学校の頃、実家の隣の家の庭に卓球台が置かれていた。その家の幼友達の父親が自作した卓球台であった。ラケットも自作。私はその幼友達とその卓球台で時々卓球を遊んだ。
 
しかし私たちが卓球をしているときに彼の父親が帰宅することがあると、毎回、彼の父親から私はラケットを取り上げられた。そして彼の父親は息子である私の幼友達と卓球を始めた。私は傍に立ったまま親子が卓球を楽しんでいるのを眺めた。しかし、幼友達親子の卓球はなかなか終わらなかった。いつも30分以上続いた。親子の卓球を存分に楽しむと、彼の父親はラケットを卓球台に置き、私には何も言わずに立ち去っていった。こんなことが何度もあった。
 
私には、この幼友達の父親に関して何ひとついい思い出がない。子供の頃、何かにつけて陰湿な嫌がらせをさせられた記憶しかない。
 
私の父親なら、子供同士が楽しく遊んでいるところに割り込むことは決してしなかったであろうと思う。私の父親は仕事にしか関心がなかった。幼い私が父親に遊んでもらった記憶は全くない。しかし私の父親には、このような卑しいところはなかった。

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