2021年1月4日月曜日

従姉

母親が亡くなった後、書類の山の中に一通の手紙を見つけた。差出人を見ると兵庫県に住む従姉であった。開封されていたので私はその手紙を既に読んでいたのだろうと思う。ただ全く記憶になかった。
 
読み直してみると、その従姉の実家の改修に必要なお金を私の母親に無心したと言われたがそんなことはないという内容であった。

その従姉の実家には彼女の母親が一人で暮らしていた。従姉はなんとかしてその家の外壁を改修してやりたいがお金がないと私に言ったことがあった。改修には二百万円だか三百万円だかがかかると従姉は話した。しかし彼女が私に金を無心したわけではなかった。私にそれほど多額の金を出す余裕などあるはずがない。改修費を負担すべき立場にもない。私は彼女の話を単に聞くだけであった。

この従姉は、彼女が私の実家に改修費用を無心したと私の母親が私に言ったものと思い込んでいたようである。そして私の誤解を解きたくてこの手紙を寄越してきたように思われる。しかし母親が私にそのような話をしたことはなかった。私の母親と私の間でこの従姉の実家の改修費のことが話題にのぼったことはなかった。
 
ただ、私の姉からは次のような話を聞いたことがあった。姉は、その従姉からお金を無心されるのでいやになってその従姉には電話をかけなくなったと私に言った。正確には、「従姉から電話で話すたびに金がない金がないと言われる。改修費を無心されているようでいやなので最近はその従姉に電話しなくなった」と姉は私に語った。姉が私にこの話をした直前に私も従姉から改修費のことを聞いていたので、姉の話は理解できた。しかし私は姉の話も聞き流した。
 
そんな時期に父親に続いて母親も入院。退院して実家に戻ることは二人ともできそうもなくなった。空き家になった私の実家をゆくゆくは従姉に譲渡することにし、彼女の母親が住む家の改修はせず彼女の母親に私の実家に住んでもらうのがいいのではないかと思った。私は従姉に電話をしてそのことを話した。しかしその従姉は「いらんわ、あんな田舎には住めん」といって私の申し出を断った。従姉の母親は結局、その従姉の実姉の嫁ぎ先の近くに住むようになった。そしてそこで亡くなった。
 
思い返してみると、従姉から金を無心されると私の母親に告げたのは私の姉であったと思われる。私の母親がその従姉と家の改修について直接話したことはなかったのではないかと私は推測している。姉から改修費の話を聞いやとしても、母親が従姉に抗議の電話を入れるといったことは、母親の性格からは考えにくい。
 
理由がわからないが、私はその従姉に恨まれることになった。
 
私の姉は、全く理由なく他人の悪口を言っては他人同士の人間関係を壊す。他人の人間関係を破壊することが姉の生き甲斐のようだ。姉が何か事実無根の話を従姉にしたのであろう。

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