2021年3月25日木曜日

懇意にしている臨床心理士(心理カウンセラー)がいる。彼女は70歳代前半。前の職場で大変お世話になった。彼女は優れた技術を持っている。私は心理治療が必要と判断した患者は今でも全員彼女に治療を依頼する。

何年か彼女のご主人が東北地方のある県に単身赴任していた。ふたりのお嬢さんは既に嫁ぎ、ご主人の単身赴任中、彼女は自宅で東京で一人暮らしをしていた。彼女のご主人が東京に戻ってくることになったとき、彼女は急に落ち着きを失くした。一緒に暮らしたくないと彼女は言った。別に、特に夫婦仲が悪いからというわけではないと思った私は、誰であっても長期間一人暮らしすると人と共同生活できなくなるものだろうと、彼女の話を聞き流していた。

ところが彼女のご主人が東京に戻りふたりで暮らすようになってからも彼女はご主人と向かい合って食事ができないと私に話した。向かい合ってご主人と一緒に食事ができない彼女はどうしているのか。彼女はご主人と向かい合わないためにご主人の横に座って食事をしているということであった。面白いことにこのことを彼女は自分の患者や知人にも勧めていた。

私は、臨床心理士としての彼女の素晴らしさはここにあると思い、いたく感心した。そう、大きなストレス源と正面から向かい合ってはいけないのだ。逆にストレス源から目を背けてもいけない。

私の友人の4人が鬱に陥った。うち3人は仕事を辞めた。残りのひとりは子会社に転籍することによって鬱から脱した。

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