2019年1月6日日曜日

無題

両親を姉が褒めたり両親に感謝する言葉を口にするのを聞いたことが私はこれまで一度たりとない。姉は口を開けば両親の悪口を言った。そして両親の前では私のことをさんざん悪く言っていたようである。私はこれまで姉が人を褒める言葉は一度しか耳にしたことがない。
 
しかし、私が両親と話すとき、私は姉を批判したことはただの一度もなかった。姉が一方的に絶縁してきたあとも、このことについては母親と一言も話さなかった。父親は出血性脳梗塞のためほとんど意識がなくなっていたので、父親とは当然、姉が縁を切ってきたことを話す機会はなかったが。
 
姉の長女も姉と同じであった。彼女の祖父母である私の両親を侮蔑し私を憎んだ。私は姉を名誉棄損で訴えたが、裁判の過程で姉が私を憎むに足りる原因は何一つ出てこなかった。
 
両親を介護するために東京と高知とを往復した2年あまりは辛いことが多かった。私の家内は、顔が真っ白になって高知から帰宅する私の健康を心配した。
 
両親とも亡くなった今、私は両親を介護するために全力を尽くした自分を誇らしく思っている。姉はどうか。介護することがいやだというだけで一方的に自分の両親と私との縁を切った。一方的に絶縁しても遺産相続においてはハンディーとならないということも十分調べた上でのことであったようだ。
 
しかし、心は正直である。姉も姉の長女も、生涯罪悪感にさいなまれ続けるであろう。母親の死去直後から姉の病状が悪化したと人づてに聞いた。両親とも亡くなった今、彼らを救う方途はない。

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