2012年2月26日日曜日

東方神起

3日前の外来診療中のこと。30歳近い年齢の女性が受診した。彼女の髪は真黄色でおかっぱ。しゃべり方も幼く、どう見ても20歳そこそこにしか見えない。

診察中、彼女から飛行機に乗ってもいいかどうかと尋ねられた。東方神起を追いかけて4月中旬まで韓国に行くのだという。当然、東方神起など私が知るはずがない。

私が「東方神起って?」と尋ねると、彼女は携帯電話を取り出し、東方神起の写真を私に見せた。そして彼らについて熱心に説明した。「向かって左側は踊りがうまくて、右側は歌がうまい」、「左右どっちが好き?」、「胸がきゅんとしない?」などと、彼女の話は延々と続いた。彼らを見て私の胸がきゅんとすることなどあろうはずがないではないか。

彼女は最後に小声でぽつりと「いっしょにはなれないと思うけど」と言った。

私は「『いっしょ』とは?」と尋ねた。彼女は「結婚すること」と答えた。

うーん・・・。私は声が出なかった。

彼女は幼児や児童を対象としている仕事についているという。きっと彼女にはうってつけの仕事に違いない。彼女の幼い話し方も幼児や児童相手であればうってつけである。

韓流スターを夢中で追いかけ、自分の人生と重ね合わせるといったことは、10~20歳前後の若者であればよくあることであろう。しかし30歳近くなってもこのようなことがあるのか。

こんなことを言っている私も、彼女の携帯電話の東方神起の写真を何枚か私のiPhoneに収めた。彼らの写真を何度見返しても、私の胸がときめくことはないが。

(このブログは、本人の了承を得て書いた。)

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