2017年5月23日火曜日

「月光の夏」 毛利恒之 講談社文庫

鹿児島県の知覧。ここには第二次世界大戦中、特攻隊の基地があった。現在、ここには知覧特攻平和会館がある。私はこの知覧特攻平和会館を2度訪れた。2度目にこの会館を訪れたときに会館の売店で買った文庫本の一冊を昨日読んだ。「月光の夏」という本であった。

知覧の特攻隊について書かれた本としてはは3冊目であった。最初に読んだのは「知覧からの手紙」。これは特攻隊に志願し戦死した婚約者との思い出を綴った手記である。この本をどこで買ったのかは記憶がない。この本を買ったときには知覧がどこにあり、どのような場所であったのかすら知らなかった。この手記を読んで、初めて、「知覧」という言葉の思い意味について知った。数年前に私が知覧を訪れるきっかけとなった。

2度目に知覧を訪れたのは昨年の6月であった。このときに記念館の売店で買ったのが昨日読んだ「月光の夏」であった。いっしょに買った「ホタル帰る」は昨年読んだ。

人の死は残された人のその後の人生を大きく変える。私の伯父も戦死したが、残された妻と子の人生を大きく狂わせた。狂わされるのは恋人や家族だけの人生ばかりではない。故人と全く関わりを持たなかった人たちの人生にも影響を与える。

残された人たちに課された使命は、日本のために命を落とした多くの特攻隊員たちの死が決して無駄ではなかったことを示すことであろう。

残念ながら外交努力だけで国民の安全を守ることはできない。平和憲法を叫ぶだけでも平和は守れない。

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