私と私の家内は、両親の死後、姉を相手取って名誉棄損の民事訴訟を起した。直接のきっかけは、姉の夫の次の言葉であった。「そのお金は幸伸君のお金ですか。私はそのようなお金を幸伸君から妻(私の姉)が受け取っているということは知らない。どうぞ裁判を起してください。責任を持って妻を東京に連れて行きます。」
私がドイツに留学していた1993年から1995年の間に、姉の嫁ぎ先が経営している会社が倒産した。姉の家族は自宅のマンションも手放して借家住まいとなった。4人の子らはまだ高校生から小学生であった。義兄はタクシーの運転手となり懸命に働いてくれたが、家族6人の生活費と4人の子供たちの学費を義兄の給料だけで賄えるはずはない。私の両親が多大な援助を与えた。
姉は実家からの援助をひた隠しにしていたことを私は知っていた。しかし実家から援助を受けていることを姉の家族が知ると、プライドが極めて高い姉は自尊心が傷つくだろうと思い、私の両親も私もその援助については誰にも話さなかった。姉は実家から多額の経済的援助を受けていることを黙っていさえすればよかった。ところが姉は、親戚や実家のご近所の人たちに対して、私の両親は一銭もくれないと触れ回った。
一度、私が姉に対して現金書留で10万円送金したことがあった。現金書留の受取人は姉の夫にした。送金した翌々日、姉が慌てて電話をかけてきた。電話に出た私の家内に対して、姉は次のように言ったという。「実家から援助を受けていることを夫が知ると、夫が激怒する。今後、送金してくれるときには夫宛にはしないでもらいたい。」
以来、私が姉に援助を行なう際には、必ず、宛名は姉にした。私の援助の総額は200万円を下らない。両親からの援助は最低2千万円〜3千万円に上ったのではなかろうか。
私は姉や姉の家族が感謝してくれさえすればよかった。それで十分であった。しかし、姉は夫ばかりでなく自分の子らに対しても私と私の家内からの援助をひた隠しにした。子らが成人したあとも話さなかった。姉の長男が浪人生活を送ることになった際に送った30万円のことも、当事者である甥は知らなかった。甥が大学入試のために上京するために必要とする交通費を出したのも私であったが、姉はそのことすら一言も甥に告げなかった。どれほどの経済的援助を自分の母親が実家から受けてきたのか何も知らない姉の長女は、私の両親に感謝しないばかりか、私に対しては激しい憎しみを抱いた。姉はよほど私を悪く自分の子たちに話していたのであろう。
母親の葬儀が姉と姉の子らによって汚されたことは前々回書いた。そればかりではない。姉からの真夜中のしつこい無言電話とぞっとするような留守番電話。実家のご近所の人たちに対する私と私の家内に関する讒言。
私は、姉が親戚やご近所に話していることはほぼ全部が事実と異なることをきちんと記録に残しておかなければならなかった。私の両親と私の家族の名誉を私が守らなければならないと私は考えた。
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