2006年12月10日日曜日

母校

毎年11月に私が卒業した高校の同窓会が東京で開かれる。 この同窓会が始まったのは20年ほど前であった。私の母校の後輩が修学旅行の途中で事故のため多数亡くなった。中国の上海での列車事故であった。この事故をきっかけとして母校支援のため同窓会の関東支部が発足した。

あの事故は当時、マスコミでも大々的に取り上げられた。将来ある20数名の若者たちの命が一瞬のうちに奪われた。

私の友人の坂田は、最近、その事故現場を訪れたという。

彼には3人の子供がいる。その中の一人の娘さんは、中学3年になったとき、突然、名古屋の親元を離れて高知にある坂田の母校を受験すると自分から言い出した。入学試験には無事合格。そして、坂田の実家から3年間私たちが通った高校に通学した。

私の高校時代からのもう一人の友人である徳永。彼はいま岡山に住んでいる。彼にも3人の子供がいるが、その中の1人も私たちの母校に入学したという。

これらは偶然ではないであろう。坂田にとっても徳永にとっても自分が卒業した高校にこの上ない愛着を抱いている。私もそうだ。私たちは最も多感な思春期をこの学校で共に送った。私たちの共通の価値観もこの時期に築かれた。私たちの人間としての基礎を築いてくれた母校に対する熱い思いが彼らの子供たちに伝わらないはずはない。

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