岡江久美子さんが亡くなった。
私にとって岡江久美子さんといえばNHKの「連想ゲーム」。テレビをほとんど観ない私にはこの番組のことしか頭に浮かばない。彼女が17年間司会役を務めた「はなまるマーケット」という番組もあったようであるが、私はその番組を一度も観たことがない。彼女の死もYouTubeで知った。
彼女の死は多くの国民に悲しみを齎した。
しかし私は、彼女の死そのものよりも彼女の遺骨を受け取るために自宅の正門まで出てきた夫の大和田獏さんのやつれた顔に悲しみを覚えた。私の父と母が亡くなったときの私の悲しみが大和田獏さんの悲しみと重なったのだ。大和田獏さんは報道陣に対して「残念で悲しくて悔しい」と話した。簡単なコメントを残した後、報道陣に一礼し、静かに家の中に消えた。
高知の病院に入院していた両親の見舞と介護のために東京と高知とを往復した2年半の記憶が次々と頭に浮かんでくる。父が倒れたのは2013年6月末。8ヶ月後の翌年の3月に亡くなった。母は父親を追うように2013年8月に入院し、2015年8月に亡くなった。父親の臨終にも母親の臨終にも立ち会えなかった。両親の死を知らせる親戚からの電話をもらったときの衝撃は今も忘れない。本人にとって本当に辛かったことや嬉しかったことの記憶は時間を超越していつまでも頭の中に残るのであろう。
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