私の手元に3つの音声ファルがある。2013日7月28日午後3時過ぎに姉が残した留守番メッセージである。私がこの留守番メッセージに気づいた日がいつであったのかは記憶が定かでない。7月28日から30日までの間であったと思う。夕方、池袋駅から大塚駅に向かって人混みの中を歩いていたときであった。
留守番メッセージを再生すると、いきなりおどろおどろしい声が流れてきた。周囲が騒がしかったため、最初は何と言っているかは聞き取れなかったが、その声のトーンから背筋が寒くなった。私は携帯電話に耳を近づけてそのメッセージを注意深く聞いた。何度か聞き直して、その声が姉であることに気づいた。
憎しみに満ちたメッセージであった。「あなたたち3人がしたことを全部知っちょります・・・」からメッセージは始まった。音声メッセージは3回残されていたが、メッセージを残しているうちに姉の感情が激してきたらしく、最後は叫び声で終わっていた。
私たち3人がした悪事は全て知っている
姉の家族、親族、知り合い、知り合いの知り合いの誰にも連絡をとるな
連絡をとった場合には力の強い弁護士に言う
という内容であった。
私は長い間、姉が言った「あなたたち3人」とは、私の両親と私のことであると思っていた。この「3人」が私と私の家内と私の一人息子(当時、中学生)のことであったことを知ったのは、母親の告別式の翌日であった。つまり、私は2年あまり、勘違いしていたことになる。
「あなたたち3人」が私と私の家内と私の一人息子を指していたことを知ったきっかけは、母親の告別式の晩に姉が従姉の家に電話をかけてきて、私と私の家内と私のひとり息子が亡くなった母親の財産を全て自分たちの名義に書き換えたと告げたことからであった。私は、母親の告別式の翌日、遺骨を持って親戚の挨拶回りをした。その際に、偶然、姉からの電話を受けた従姉本人からそのことを聞かされた。姉は、私の家内は現金が好きだからとも言ったということであった。その話を従姉から聞かされた私と私の家内はその場で絶句した。
母親の告別式の晩に親戚に電話をかけてきて、何の根拠もなく事実でもないこのようなことを告げる姉の非常識は許されるものではない。
弁護士にもこのことを話した。たとえ私が母親の財産をすべて私の名義に書き換えていたとしてもそれは犯罪ではない。なぜなら私は公正証書を母親と交わし母親の代理人となっていたから、と弁護士は答えた。もちろん、もし私が母親の財産を私の名義に書き換えたならば贈与税は支払う必要が出てこようが。
それにしても、当時まだ中学生でしかなかった私の息子にまであれほど激しい憎しみを姉が抱いていたことは、狂気としか表現のしようがない。
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