「エキナカ」というのは「駅中」のことであろうか。ここ数年、東京ではJRの駅中には商店が建ち並び多くの人で賑わっている。私が毎日通勤に利用する駅でも再開発が進んでいる。
こんなエキナカの店のなかで私がよく利用するのは書店とパン屋である。「パン屋」と聞くと奇異に思われるかもしれないが、私の目的はパンを買って家に持ち帰ることではない。パン屋のなかのテーブルに座ってパンをかじりコーヒーを飲みながらくつろぐためである。一人でぼーっとする一時は私にとって至福の時間である。周りには大勢の人がいる。しかし誰一人として知る人はいない。一人きりでいるのと気分は同じである。
こんなとき、ときにノートパソコンを開き、キーボードを叩くこともある。メールを書いたり、ブログを書いたり、急ぎの原稿を書いたりと、することには事欠かない。真夏であっても店内は冷房が効いており涼しい。逆に冬は寒さがしのげる。それに静かだ。パン屋という性格上、流れるBGMは穏やかなものが多い。明るくて清潔感があるのもいい。煙草の煙も流れてこない。その代わり、長居するのは憚られる。また深夜まで営業している店は少ない。無線LANが使える店もない。
私は通勤途中にあるふたつのJRの駅のエキナカにあるパン屋を時々利用する。電車から降りてすぐに店に入れるので便利だ。それに駅前の雑踏を通り抜ける必要もないので疲れない。店内が混んできたら邪魔にならないように早めに店を出ることさえ心がければ、パソコンを開いて作業をすることがあっても許されるのではないかと私は勝手に考えている。
カラオケボックスやインターネットカフェを書斎代わりに利用することを勧める人もいるが、ずぼらな私は駅の構内を出るだけでも億劫である。エキナカのパン屋はこれからも私の憩いの場となろう。
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