帰宅途中、週刊誌の中吊り広告が目に入った。「”死にたい人”には重労働を」という文字が私の目を引きつけた。有名な作家の投稿記事であった。
人は必ず死ぬ。どれほど生き続けたくてもいつかは必ず死ぬ。しかも死ぬ時期や死に方を選ぶ自由など誰にも与えられてはいない。死にゆく人にとっても家族にとってもほとんどすべての死は望まざるものであり、死に方もまた望まざる死に方なのだ。せめて残された人たちは、愛する者の死に価値を見いだす努力をしなければならない。たとえその死がいかなる死であったとしても・・・。死に対して意味を与えるのは死んでいく人だけの責務ではなく、死にゆく人と残される人たちとの共同作業であるべきではなかろうか。
その中吊り広告を眺めながら、そんな考えがふっと私の頭をよぎった。
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