毎年8月の第一土曜日に私の卒業した高校の同窓会総会と全員懇親会が開かれる。今年は私の学年が幹事役を務めた。親友が幹事と代表幹事を務めていたので私も応援のために出席した。夏に帰郷するのは10数年ぶりのことであった。
私の母校が発足したのはちょうど私が生まれた年である。だから今年、50周年となる。私は16期生。私の在学中はまだ第一期の卒業生もまだ30歳そこそこであった。しかし、もう第一期生は66歳になる。
高知市長も私の母校の卒業生になっていた。高知新聞社の社長も。そして私が在職する慶應大学医学部の元教授であり、現在、日本看護協会会長を務めている久常節子氏も私の母校の先輩であることを知った。(私の母校は男女共学である。男女ほぼ同数。)今の高知県を支えている多くの人材が私の母校出身者であることを同窓会会場で聞かされてうれしい限りであった。
全員懇親会のあと同期である16期生だけの同窓会が開かれた。69名が集まった。2年前の正月には120名集まったので少し寂しくはあったが、お盆の直前ということを考えれば、よくこれだけ沢山の同期生が集まったものだともいえた。
16期生全員の同窓会がお開きになった後、クラスメートだけでの同窓会となった。高知に住むクラスメートが行きつけのラウンジに私たちを案内した。多くのホステスに生まれて初めて囲まれ、クラスメートの女性たちは大喜び。なんとその店のホステスの一人に母校の後輩がいた。和服がよく似合う女性であった。彼女は私たちの10期後輩ということであったのでもう若くはない。しかしまだ30歳前後にみえた。高校を卒業と同時に夜の仕事についたという。私の母校の卒業生はほぼ全員が大学に進学する。だから大学に進学しなかったというだけでも驚いたが、卒業と同時にこの道に入ったというのも驚きであった。
四次会はバーで。ここもクラスメートの行きつけの店であった。静かで清潔な店であった。そこではスナックとバーとの違いは何かといった基本的なことも知らない私たちを相手に、クラスメートが一所懸命説明してくれた。カクテルの話も聞かせてくれた。彼は地酒の醸造会社の役員を務めている。学生時代からまじめ一本の男である。カクテルの話もほんとうに一所懸命、夢中になって話してくれた。
最初に座ったテーブル席から全員が途中でカウンター席に移動、彼の勧めに従って「バー」の雰囲気をゆっくりと楽しませてもらうことができた。
解散したのは午前1時過ぎであった。同窓会総会の開始時刻から既に9時間以上経過していた。ふだんほとんどアルコールを口にしない私も昨日ばかりはかなり飲んでしまった。ホテルに戻った後、心地よい疲労感に襲われすぐ眠りに落ちた。